夜寒い部屋の布団の中で「東京タワー」の続きを読む。
ようやく半分ほど。
 
その中で、おばあちゃんが病床から
「100万円あるから鍋を買え」という場面があった。
 
また、写真家の川内倫子さんの日記には
冬のバーゲンで、ルクルゼ(仏製ホウロウ鍋)の新色
フルーツグリーンの鍋を買ったとあった。
 
たとえ鍋でも高価なものは高価なものとして機能性があり価値がある。
キャバクラで1万円払っても、毎日使う鍋は安物?
1万円の鍋は買えない?
フルーツグリーンの鮮やかな鍋はきっと豊かな気持ちを与えてくれるだろう。
もし100万円に鍋を買ったら、
きっと毎日料理に精を出すことだろう。
おばあちゃんにもなにか一皿だそう。
そういうささやかでもしっかりした生活がしたい。

 
そんなこと言いながらも俺はそのへんのスーパーで買った数百円の偽雪平鍋と
大学入学時に買ったステンレスの小鍋をいまだ愛用しているのだが。