「運命じゃない人」内田けんじ監督

5人の1夜が複雑に交錯する。
なんというか、日本版パルプフィクション
面白かった!
この映画はよく「練り上げられた脚本」とか書かれてるけど
ほんとそのとおりだった。
映画が進むにつれ、登場人物がひとりひとりにスポットライトが当たるたびに
新しい物語が生まれる。
きっと二回目に見ても三回目に見ても違う発見があるだろう。
そのぐらい練りこまれ、精妙に構築されている。
ラストはいろいろ想像してしまう。
 
最初はただのラブコメかとも思ったけど、
じわじわと方向が変わって…
複雑な構成をすっきりと見せ、
なおかつ笑える要素も盛り込んでてちっとも眠くならないし、
きっと音楽も好きな人なんだろうななんて思った。

やたらぺこぺこして本心をうまく表現できない日本人を、
カンヌ映画祭(2005年に出品)で観客がどう感じたのか
すごく気になる。共感できたんだろうか?

登場する役者たちはみんな地味ではあるけどキャリアを積んでいる方々で、
彼らの出演作品をほとんど見ていないことに恥じ入ってしまった。