午後3時過ぎ、職場中が急にそわそわし始め落ち着かなくなった。
7月からの人事異動の内示が始まったからだ。
職場の一角にある応接室に会社のトップ二人と総務課長が入り、そこに異動対象とおぼしき人たちが一人ずつ呼ばれて入っていく。年齢高い順に呼ばれて入っていく。
出てきた人たちは一様に押し黙り、動揺を隠すようにじっとしている。
俺を含めた職員はそれを遠くから眺め、ただ何が起こったのか想像するのみ。
 
しばらくして、やはり、俺も呼ばれた。入社して3年間ずっと総務課だから、そろそろだなと覚悟はしていた。
トップに「厳しいところに配置するから覚悟するように」と声を掛けられ、
告げられたのは「生活課(Aコープ)勤務」だった。
これにはちょっと驚いた。たくさんある課のなかでも、てっきり自動車か給油所だと思っていたから。Aコープか。。。などと考える余裕もなく承諾。
 
自分の席に戻って、先輩や同僚に冷やかされながらじっくり考える。
生活課には去年まで同じ課で働いていた俺の師匠が居る。いかにも「現場型」の課長とその部下も。きびきびと働くたくさんの臨時職員たちも。
だいじょぶなんだろうか俺。ってまあやるしかないんだけど。
 
まだ就職する前、働いて3年位したら辞めて、あちこち旅行して見聞を広げようなんて思ったんだった。今もココロの隅っこにその思いはある。蓄えも英語力もないけど
。2006年に入ってからずっと、頭の端のほうでKEMURIのatoichinennを流している。
 
とりあえず週末になったら県庁の星でも読むことにしよう。