仙台デート

6時に起きて仕度して家を出る。
電車→高速バスを乗り継いで久しぶりに仙台へ。
にいみさんと合流しセールをあちこち見る。
不思議なことに、欲しいなと思うものはなぜかセールになっていない。
定番品だったり入荷したばかりだったり。手ぶらでのんびりと歩く。
 
ビームスボーイでアイランドスリッパの別注モデルが安くなっていた。
黒地に金色の鼻緒のサンダル。サイズ22で残り一つだけ。
にいみさんはこれを試着して気に入り、買おうかどうしようか悩んでいた。
一旦その場を離れ、店内を一周し、少し悩んで再び元の売り場へ戻る。
少し買う気が増して改めてそのサンダルを手にとって眺める。
そうしていると近くにいた我々より少し年上の女性客が店員さんを呼び、
近くにあったビルケンのサンダルを指差してなにやら話をする。サイズがどうとか。
すると店員さんが今度はにいみさんの注目しているサンダルの箱を出し、にいみさんが手に持っているのと反対側を試し履きし始めた。にいみさんも遠慮して女性客に自分の持っていた方を差し出した。
履いてみるとサイズはちょうどいいようで、ものの10秒程度履いて女性客は購入することを決め、レジに進んでいった。見ていた我々は「えっ、ちょっと…」と思うが口に出せず立ちすくむのみ。
タッチの差でサンダルを買われたにいみさんは少しだけ目が潤んでいた。
 
買い物って、凄く欲しかったものを買うことを諦めたときよりも、そんなに欲しくなかったものが買えなかったときのほうが悔しいのどうしてだろう。
 
買えなかったサンダルには叶うことのなかった欲望が残るから?。
諦めきれない無念さ。