街の服とジャズ

洋服を買いに街に出た。
コート(アウター)が欲しい。
去年買ってないし、クローゼットには古着で買ったものばかりだ。
久しぶりに新品のコートが欲しい。


そう思って仙台の街を歩いたものの、いまいちぱっとしない。
冬物セール中で買いやすい価格(高いけど)になってるのに。
いろいろ見てるとどれも同じに見えてくるんだ。特にダウン!
本格アウトドアブランドならともかく、ストリート用なら一緒じゃないか?
シエラデザインのポンチョを見ててはっとした。


どれも一緒に見えるのは、メンズのストリートブランド(今日よく見てた)はデザインの元ネタが一緒だからだ。トレンチコートやピーコート、ダウンならモンクレールのエベレストやカラコルムタイプがベース。メンズの服の形の基本はワーク、スポーツ、ミリタリーだそうで。機能的でカジュアルに着られる服となるとどうしてもそういう基本形を外すことはできない。
音楽でいうなら、ジャズが何十年も前から現代までずっと「星に願いを」や「A列車で行こう」なんかをスタンダードとして演奏し続けてきたことと一緒なのかもしれない。オーセンティックなジャズもストリートファッションも限られたスタンダードナンバーを演奏し、アレンジやアドリブの妙を競ってる。
それはそれでいいと思う。格好良いものも沢山あるし、スタンダードより洗練されてるものも沢山ある。
けど、そればかりだと飽きてくる。他の、まったく新しいものが見たいと思う。近年ナポレオンジャケットが目立ってるのも、皆がスタンダードのリミックスに飽きてきたからなんじゃないか?


スタンダードのアレンジ・リミックス競走に飽きてきたら、そこから飛び出す方法は二つ。
一つは自分でまったく新しい新曲を作ること。何にも似てない、それでいて新たな定番となりえるもの。洋服でそんなもの作れるのは天才デザイナーか大企業(nikeとか)かアメリカ軍?もしくはredwingやst.jamesみたいな伝統と時間の力か。
もう一つは原点に回帰すること。ブランドの新作デニムをあれこれチェックするよりも50年前のリーバイスを探すとか。




道に迷った俺は、ミリタリーものをあれこれ見てみることにします。