ユナイテッド93 [DVD]出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン発売日: 2006/11/30メディア: DVD クリック: 52回この商品を含むブログ (133件) を見る

 9/11同時多発テロの時、ハイジャックされながらも、乗客の抵抗によって地上への被害を最小限にとどめた機が有った。ユナイテッド航空93便。
 この映画には主役が出てこない。名前のでてこない登場人物がほとんどだ。
当事者達全員が、それぞれの物語の主人公だからなのかもしれない。それぞれの物語を生きている、無名の普通の人たち。空港の管制官だって、空軍を指揮する軍人だって簡単に事態を把握なんてできないし、的確な決断なんてなかなかできない。
 機内に医者は乗っていないし、NY市警のブルースウィルスやメルギブソンは出てこない。乗客を指揮するリーダーや最強の男なんているはずも無い。ふつうの人たちが、家族に電話をかけたときに同時多発テロの状況を知り、少しずつ状況を伝え合って、皆で立ち向かって飛行機を取り戻そうとする。
 映画は、実行犯達がコーランを読み、祈る場面から始まる。犯人達でさえ不安と緊張で落ち着かないし、飛行機の操縦桿を握るときには神に祈る。見守ってくださいと。信じられないようなひどい事件を犯すような人間は、狂信的なテロリストか純粋な悪の結晶だと思ってしまいがちだけど、実際に事件を起こすのは、ふつうの人なんだろうか。
 犯人達も乗客達も、困ったときは神に祈るし最期のときには家族に電話をかけたくなる。人ってそういう生き物だよね。きっと。
俺は26年生きていても、世の中のことを何も分かっちゃいない。