私事、

叫びたい衝動にかられてる。
あ゛ーっ
でっかい声で叫びたい。
やりきれない。


つい先ほど、ああああ願を書いた。
「         私事、
この度一身上の都合により」って書き出しではじまるアレだ。
ほんとに憂鬱になるから書類の名前は出したくない。ああああ願。「願」って名前に付いてるけど別にそんなこと心から思ったり希求したりしている訳じゃないんだよ。ただどうしてもそれを書かないと前に進めないから、嫌々ペンを執った。
いずれ書かなきゃいけないのは分かってたけど、できれば知らない振りしていたかった。


だけどそろそろ出さなきゃならないから、昨日隣町のツタヤまで買いに行った。誰も知り合いのいない、地元じゃない遠い遠いところで便箋と封筒を買いたくて。別にどんなんでもいいんだけど。和紙でもエアメール風でも。選ぶのも迷うのも嫌だからいっそ値段で決めてしまいたかった。
結局無難な奴選んだけど。


今手元に有るこいつ、できることなら破り捨てたいくらい。真っ白い封筒は死に装束みたいで嫌いだし、へたくそに歪んだ自分の字だって見てていらついてくる。
見た奴皆を暗い気持ちにさせるこいつ、まるで不幸の手紙
不幸の手紙が導く俺の未来。