kapitalに片思い

kapital」という洋服のブランドがある。
岡山県倉敷市に本部が有る、国産のデニムを中心としたアメカジ風味の服を作っている。ひどく乱暴に言ってしまえば、ハリウッドランチマーケットや45RPMのような雰囲気だ。
福島や仙台に取り扱っているお店が有るので前から気になっていた。パンツ一点しか持っていないが。
旅行中、ちょうど岡山県倉敷市を通ったので(瀬戸大橋の本州側出口が有る)迷わず行ってみた。


本店はとても雰囲気が良かった。土っぽくて古めかしいんだけど、洗練された趣もあって。洋服はアメカジのワーク物が中心なんだけど、レプリカじゃなくて素材やシルエットに個性があって見ていて実に楽しいのだ。ちょうどお客さんがいないこともあって店員さんとお話しすることもできたし。たくさん試着したが旅行中だし予算が乏しいこともあって小物を購入。太い糸で数色使った靴下が素敵だったんだけど1足3000円もして宿一泊と同じ値段なので買えなかった。


bluehands店は小路の奥に有る一軒家で、門構えも日本庭園も風格があって洋服屋には見えない。中は縁側も有る畳敷きの和室。そこにデニムが大量に並んで落ち着く雰囲気。こういう店が近くにあったらいいなあと思う。


岡山市にはアウトレット品を扱うショップもあって本当はそっちが本命だったのだけど、実際に入ってみたら今シーズンやもっと前のシーズンのもの、いろいろな服が少しずつあって、たくさんの種類に囲まれそのなかから面白いものを探していやもう面白いものばかりで俺にとっては楽園のような楽しすぎる店!店に着いたのは閉店前一時間だったので急いで慌てて見せてもらった。
旅行中は一本のジーンズをずっと履き続け上には毎日同じブルゾン、中には同じ型のロンTを二枚交互に着ていた。洋服を着ることの自由は封印して意識的に毎日同じものを身に着けていたのだけれど、一月もそうやって生活していたからそのストレスが楽しすぎる店に来たことによって一気に放出されてしまったのかもしれない。目に映るもの全てが新鮮で斬新で綺麗で清潔で、洋服ってこんなに面白いのかと思った。
半額になっていた霜降りに分厚いリブが付いたスウェットパンツと、店員さんが見立ててくれた帽子を値段も良く確かめないまま購入。帽子は支払いのとき見たら非セール品で7000円近いものだった!でも購入。一日で4点購入し、出費は30,000円弱程に。
でもまだ飽き足らなくて、もっと素敵な服が有るんじゃないかって気がして。翌日も夕方アウトレットの店に足を運んだ。買うか買わないかはともかく行かずにはいられなかった。本当はジャケットが欲しかったが、欲しい型はサイズが無く、試着してみてもシルエットが合わず。ジーンズを見てみると、4万円のワンウォッシュジーンズが半額で、そこで試着して30分悩んだ。俺は普段ジーンズをほとんど履かないのに(旅行中は例外)ここで購入していいのか?いやここで購入すればずっと履いて自分のスタイルを変えることができるのでは?などと悩んで、迷って、結局高価さに腰が引けて買わなかった。店員さん大迷惑。二日目は結局何も買わなかった。それでも納得。


kapitalの服は他の洋服とはなんだかカタチが違う。見てる分には普通っぽいんだけど、着てみると結構ゆったりしたものが多いようだ。胸とか腰とか体幹
ところがゆったりした服が多い気がする。ワークウェアだからなのかもしれないがそれが俺にとってはとても新鮮なのだ。今まで自分の服はジャストサイズを基本に上が大きくて下が細目とか、上が丁度で下が太目とか。kapitalの服はジャストサイズか、上も下も太目とか。着てみると中心部がポイントになってひし形気味に見えるようなシルエットとか。自分では思ってもみなかった、まさに目からウロコ。


しかし着てみると結構難しい。過去の経験や概念に縛られているせいなのか、どうしたらいいのか、どうやって着たらいいのかよく分からない。服自体はすごく好きなのに。しかも今買い物自体を簡単にできない経済状況。
好きなのにうまく付き合えない。どうしていいのかわからない。もしかしたら
自分にはkapitalは合わないのかもしれない。片思いだ。でも好き。
いつか好い男になって、こいつを振り向かせたいと思っている。


ちなみにこんな服。 http://www.kapital.jp/index.cgi