9月まで住んでた部屋

アルバイト終了後、かつての職場の後輩達と飲んだ。
会場は、かつての俺の部屋。
俺が退去した後に、後輩のS君が入居しているのだ。
そこのアパートには知り合いが沢山いるし、あちこちの部屋にお邪魔したことも有るのでとっても馴染み深い。
でも、S君ちにあがるのはなんだか不思議な気分だった。まず玄関のチャイムを鳴らすところで違和感。こんなの4年半住んでたけど押したこと無いぞ!
中に入ってみるとコタツや机や紺色の冷蔵庫…。ああ、ここは彼の部屋なんだなってわかる。室内を見渡してようやく、このカーテンなんだか見覚えが有るな?俺が使ってたやつだった!って記憶が蘇ってきたりする。
アパートのあちこちの部屋を見た事があるからかも知れないが、やっぱり、同じ間取りや内装でも住んでいる人が違うと違う部屋になるんだ。住まいにはそれぞれの個性と暮らしが表れる。実感した。
ただ、風呂場は昔のままだったかな。シャワーの出方とか隅の目地の黒かびの取れないかんじとか(*俺も彼ももちろん清潔に使用している)、風呂には物が無いからいつになっても懐かしいのかな。カラダが記憶しているし。
夜はS君が布団を用意してくれたおかげでぐっすり眠れた。見慣れた部屋ゆえの安心感?そんなのはきっと酔っ払ってしまえばどこも一緒だ。酒飲んでれば思い出に浸る余裕は無い。


学生の頃とかは、引っ越した後も合鍵を取っておいて次の入居者が入ってからこっそり忍び込んで中を見てみたいなんて思ったこともあった。
実際に行ってみるとそこは自分の記憶の中の部屋とは別の部屋だし、何よりこの場所を離れてから時間が経ったんだなってことがはっきりと分かる。
卒業した母校の教室に入り込んでしまった気分だ。


でも、居心地が良かったからまた遊びに行って泊めてもらいたいと思う。