降りるより乗ってたほうが楽

afterashita2008-04-09

四月になってから(今日)11日まで、青春18きっぷを使っていない日より使って電車に乗っていた日のほうが多いくらい。毎日電車に乗っていた。
一日かけて秋田から東京へ向かい、それから
奈良法隆寺吉野山
和歌山県の海岸沿いを熊野那智から三重県松阪市まで、
伊勢神宮から岐阜の薄墨桜に寄り道してから東京へ。
東京から日帰りで中央線で甲府から身延線、静岡を回ったり、
東京から日帰りで房総半島をぐるっと回ってみたり。
それからまた東京から秋田へ一日かけて帰ったり。
そんなことを毎日していた。


青春18きっぷは一日2,300円で電車に乗り放題。貧乏だが時間だけは人並み以上に使える自分にとってうってつけの娯楽だったのかもしれない。
電車の中でぼんやり景色を見たり、本を開いては居眠りしたり。何もしていない贅沢な時間だった。
ぶらり途中下車の旅、というふうにあちこち歩いてみてみようと思っても、ダイヤと相談すると実際には難しく、観光は一日2,3時間ということも珍しくなかった。電車に乗ることが手段で目的で存在意義の旅。


そこで思ったのは、電車に乗ることはすごく簡単だっていう事。乗るのは簡単だけど、一旦降りてしまうと次の電車の出発時間が気になり始めるし、そもそもどこの駅で降りて何をするかという問題が頭を悩ませる。地方では電車が一時間に一本しかないなんてことは当たり前だし、観光名所まではバスで20分ということも珍しくない。一箇所の観光名所、一軒の美味しい料理店に行くことで数時間が費やされる事だってある。黙って電車に乗り続けていれば一日で秋田から東京まで行くこともできるが、どこかに寄り道していると仙台までしか行くことができなかったりする。寄り道の間もずっと帰りの電車時間が気になっていたりする。


それだったらいっそ、電車に乗り続けるほうが楽じゃないだろうか。電車は乗っているだけ座っているだけでどこか遠くへ連れて行ってくれる。終点に着いたときには乗り継ぎの案内もしてくれる。18きっぷを使って鹿児島まで出かけたり北海道の稚内まで出かけたという話を目にすることがある。それはそれですごく大変なことではあるけれど、ずっと電車に乗り続けていることは自分を電車に委ねていることであり、きっと意外と楽なことだ。例えば関東の県庁所在地を電車で回ることよりはきっと楽だろう。


ひとりでクルマで移動する時には、乗っているより降りていたほうが楽だ。乗っているという事は自分で運転するという事だから。運転するよりは降りていたほうが楽。
電車は逆。降りているよりも乗っていたほうが楽。
不思議だなあ。
それで両方の特性を踏まえた上で、次回は電車にしようかクルマにしようか、そんなことをぼんやりと考えている。