山口県光市母子殺害事件

昨日広島高裁で判決が出た事件。
18歳一ヶ月の少年が、生後10ヶ月の赤ん坊とと母親を殺害。
4回目の裁判でついに死刑判決が出た。


この判決を求めてずっと闘ってきた本村さんの、怒りとか悲しみとか苦しさを、どんなに想像しても到底実際の思いには近づくことができないし、理解なんて言葉を軽々しく使うことなんて絶対にできない。
ただ、本村さんの言葉を読むことしか。


死刑という刑罰について、それを求めることについてどれだけの思いを巡らせたのだろう。冷静に判決を理解し、加害者の命と、失われてしまった妻子の命を平等に扱うなんて俺には到底できないだろう。
決して喜ばしいことではないと思っています。報われる思いはありますが、社会にとってみれば、私の妻と娘、そして被告人の3人の命が奪われる結果となったわけです。これは社会にとって不利益なことです。




それにしても9年という歳月は長すぎないだろうか。
前回の裁判で最高裁が差し戻しを指示したときは落胆した。9年経てば少年は青年になっているし、事件当時の記憶だってとっくに薄らいでいるはず。少年の記憶の中の行動と弁護士や検事の主張する事件の推測が入れ替わってしまったっておかしくないほど長い時間。
さらに裁判はもう1回、あと1年以上続くだろう。
その間に本村さんや遺族の方たちはどれだけ苦しむのだろう。10年以上も事件がそのまま終わらずに続くなんて悪夢としかいいようがない。公判で加害者の顔を見るのも、犯行の詳細を聞かされるのももううんざりのはずだ。
この事件に心を縛られている方々が一日も早く解放されることを願いたい。