近年一番の怒り

さっきようやく片がついた。
二月に旅から帰国したあたりからの懸案。
ここ1年くらいで最も頭にきて、いらいらしまくってたこと。
気力が残っているうちに記しておきたい。


そもそも始まりは2月6日。
旅の帰国便、インドのデリーから中国広州行きのフライトが突然キャンセルになったこと。
理由が良く分からないが飛行機が飛ばないことになり、
広州から乗り継いで日本へ帰るはずだった俺は突然48時間の足止めを食らった。

デリーで丸二日間無為に過ごした。
問題はそこで俺が立て替えた宿代と食費、タクシー代を航空会社に請求したところから始まる。


立て替えた金額はインドの通貨で5000ちょっとルピー。
ルピーなんて帰国直前に持っているはずもなくドルで支払った。
(ドルでの支払額も請求書に書いてもらった)
それをフライト前に航空会社に請求したら、
5000ルピーをドルにその場で両替して、俺に支払おうとする。

その金額は106ドル。
俺はかなり悪いレートで宿代などを支払ってしまっていた。
でも実際に使った金額は120ドル。
120-106で差額の14ドルを巡って猛抗議。
めちゃくちゃ怒って2時間近く交渉して、主張しまくったが、
あちらのスタッフは理解しない。
フライト時間直前(3分くらい前)まで抗議するも、120ドルにはならないので
結局1ドルももらわずに帰国する事になった。


帰国後、その航空会社の東京支店に電話。

顧客担当の方に相談する。Sさんとおっしゃる方。
彼は本社にこの件をメールで報告すること、
報告しだいすぐに連絡をくれることを約束してくれた。
ところが一週間以上連絡が来ない。
こちらから電話しても「今会議に出てる」とか「出張中だ」とか。
一向に連絡が取れない。
このへんから怒りに油が注がれてくる。
どうしてフライトを二日間待たされてお金も損している自分が待たされなければいけないんだ?!
どうしてこんなに対応が悪いんだ?日本人スタッフなのに。

ましてSさんは顧客担当の責任者とのこと。
こんな人間が責任者で、この人より上に対応してくれる人間がいないなんて!


結局二週間経った時点でようやくあちらから電話が来た。
Sさんから。
「この度は誠に申し訳ございませんでした。
 私の人間としての甘さ、未熟さが原因です」
とのこと。
ぺこぺこしてる。
だけどここで謝るんならなぜ今まで全く連絡がなかったんだ?!
そちらの会社はどうなってるんだ??

これまでの怒りを一応丁寧語で、しかし辛辣にぶつけた。
Sさんはおそらく30代半ば。
普通なら年上、上司であろう立場の人が、俺の一言一言に平身低頭。
謝罪の言葉を言い続けてる。
顧客の力って、クレームってすごいんだなー。
自分でしゃべりながら感心してしまう。
まあちっとも可哀想とは思わないが。
彼は2,3日中に立て替え金を全額振り込んでくれることと、
お詫びの文書を送付してくれることを約束してくれた。



ところが、2,3日経っても振り込みも文書もやってこない。
一週間経っても。
おいおいまたかよ。
もうこうなってくるとあきれて物も言えない。
反省と約束はなんだったんだ??
何度目かの電話をする。
と、Sさんは中国に出張して、月曜日まで帰ってこないとのこと。
俺の件に関して引継ぎはなく、他の人間は何も聞かされていないこと。
月曜日と言うと2,3日後に振込みをすると言われた日から二週間後のことだが。

もう帰国してから5週間以上経っている。
どうなってるんだ!
しかし、電話応対した女性職員は
「左様ですか。申し訳ございません。」
そう繰り返すばかり。
もうあきれ返って情けなくなって、怒りも諦めに変わってきた。
この会社はどうしようもないんだな。
全員無責任体質。関わってもどうしようもない。
苛立ちも薄れていった。
こんなところにエネルギーを使うのもばからしい。
とにかくSさんと連絡が取れて、120ドルを取り戻したらもうさよならだ。



電話をした翌日、Sさんから国際電話で謝罪の留守電が入っていた。
そして、振込みは行ったとのこと。
通帳を見たら2万円入金されていた。
120ドル=だいたい1万2千円なので8000円ほど多めに入った事になる。
これで収めろということか。
デリーで二日間待たされ、入金をひと月以上待たされ、対応はぐちゃぐちゃ。
腹は立っていた。
が、もう面倒になっていた。
ここで電話してさらに怒って

「2万円で収まると思ってるのか?20万の間違いだろう?!」
とか怒鳴り散らす体力はもう残っていない。


そして今夜、ケータイに知らない番号から着信。
出てみたらSさんからだった。
本人のケータイから成田空港についてすぐにお詫びがしたかったとの事。
「この度は重ね重ね至らない点ばかりで誠に申し訳ございません。
 お詫びのしようもございません」
とかとにかく謝ってる。
こちらは無気力。

怒りに必要な気合が足りない。


「わかりました」
と妥協することにした。
これ以上この問題に関わって消耗したくないし、エネルギーも無い。
というわけでこれで幕引きとなった。




今回分かったのは、
自分の怒りのエネルギーの総量。
納得行かない事、不条理なことはムカつく。
一ヶ月くらいなら一つの問題で怒り続けていられること。
結構カネに細かいこと。

一ヶ月以上経つと怒りもしぼんでくるということ。
年上の人をタメ口で怒鳴れないこと。
周りの人が怒ってくれると自分は冷静になってくること。
この程度の怒りではスーパーサイヤ人は目覚めないということ。


自分ではコントロールできないことについて、
長期間観察できたのは貴重な経験であった。
(強引にポジティブにまとめてみた)