異動と仕事モード

7月1日、職場で人事異動があった。
異動の多い職場なのは知っていたが、
勤め始めて一ヶ月で事務所の1/4の人間が入れ替わった事には正直驚いた。
異動した人のなかには直属の上司である課長も、総務課長も、事務所長もいる。
俺が採用面接を受けた際に面接してくれた3人が、そろっていなくなってしまった。
ということは、まだ勤務して一ヶ月しかたっていない人間に判子を押し、
俺という人間の労働に責任を持ってくれた人間が全員消えてしまったってことだ。
ちょっと無責任だと思うしこんなんでいいのかと苦笑する一方で、
後ろ盾がいなくなってしまったような気がして不安な気もする。
この先、失敗したとしても
「もうちょっと長い目で見てあげようよ」と
(自己の責任を緩和する為に)言ってくれる人はいなくなり、
「誰がこんな奴採用したんだ?!」とあきれ返る人は増えていくってことだ。
あえて厳しく考えている。




それから、人事異動で、
斜め向かいの席に座っていた女性職員も遠くへ行ってしまった。
年齢が近い事、同じく旅行が趣味なこともあって親近感を感じていたのだけど。
彼女は長くボリュームの有る髪をいつもまとめたりアップにしていた。
せっかく伸ばしているのにどうしてそれをみせないんだろう?
それが気になっていてお別れの挨拶をした時に思い切って聞いてみた。
そしたら、
「いつからか、仕事の時は髪をまとめるってことが自分ルールみたいになってた」
んだそうだ。
ちょっとショックだった。
「髪をまとめる」ことによって自分にスイッチをいれ、
「仕事モードの自分」というバリヤーを張っていたんだな。
そんなふうに感じてしまった。
仕事の人と接する時には笑うことや雑談する事はあっても本当の意味では心を開いてくれていなかったんじゃないかと。そう感じたから。
6月半ばの職員旅行の時も彼女はずっと髪をまとめていたし、
2年同じ職場で彼女と接してきた上司も、
一度も髪をほどいたところを見たことが無いと言っていた。


女性が仕事をすることが大変だってことがわからないわけじゃないし、
公私の区別を付ける事が悪いことだなんて思ってもいない。
だけど、週40時間は職場の空気を吸っているのに、
そこにいる人たちに心を開ききれないなんて、
「仕事モードの自分」を演じ続けるなんて、
それはさびしいんじゃないか。
つらいんじゃないか。


新しい部署ではもっと意識しない自分を出せることを願っている。