さよなら雑学王

かつて自分はサブカルおたくであった。
モテキの主人公みたいなかんじだった。
人よりほんのちょっとマニアックな領域に入って、
人よりちょっと深い知識を得ようと躍起になっていた。
重要な情報よりもくだらない情報が気になってしまい、学校の授業では
社会の教科書の赤い太字で書かれた人物より端のほうに小さく書かれた名前について掘り下げたりしていた。


まあ、今もそんな変わってないけど。


ところが、自分が青春を費やして蓄えた情報って、実際大したことない。
教養にしたって、サブカルにしたって、社会情勢についてだって、
ちょこっとググれば60秒で分かることばかりだ。
おまけに自分の知識なんて、せいぜい、良くてウィキペキディアと引き分け、ほぼそれ以下だ。
検索してすぐ見つかる程度の情報集めるのに時間使ってる場合じゃないだろ?


必要なのは、まだどこにも書かれていない情報。
自分が実際に観て、聴いて、触れた、「体験」「経験」だ。
なんて強く思う最近。
30歳になって気付いたって、遅すぎることなんてない。