姑獲鳥の夏 (講談社ノベルス)作者: 京極夏彦出版社/メーカー: 講談社発売日: 1994/08/31メディア: 新書購入: 2人 クリック: 464回この商品を含むブログ (192件) を見る

京極夏彦処女作。
俺もこんな文才が欲しい。
最初はだらだらと妖怪薀蓄が続くのにあきれていたが、
後になって無駄な話なんてものは無かったことに気付く。
ミステリーとしてはどうかと思うけど、物語性と知識量は尋常じゃなく、
ただただ驚きながら読まされた。
妖怪を怪奇現象として扱うのではなく、
民俗学や当時の社会生活や文化から読み解くという視点が
とても斬新で興味深い。
目からウロコというか、小説中の言葉でいうと「憑き物が落ちる」というべきか。
「不思議」なこととは「理解」できてていないことだ、という主張が
なんとなくわかってくる。なんとなくだけど。

映画にもなっているが、この作品の情報量と台詞の多さは決して完全に再現
出来ないだろう。
映画も見たいけど。
自分が内容についていけるか不安になってくる一冊だった。