りり子さん

職場にりり子さんという人がいる。
あまり話したことはないがきりっとした大人の女性のようだ。
 
昨日、隣の市から今年度の住民税徴収の通知が来た。
一通り見ていると、りり子さんも徴収リストに載っていた。
だが、「りり」がカタカナで表記されているではないか。「リリ子」になっている。
いいかげんな役所だなと思いすぐに電話。
しかし、住民票に記載されているとおりだとあっさりかわされる。
   おかしい。
たしか去年もらった彼女の履歴書にはひらがなで名前が表記されていたし、わが職場ではそれにのっとって名札や給料明細もひらがなで表記しているのに。
不審に思って彼女に直接聞いてみた。
 
「ひらがなでもカタカナでもどっちでもええねん。ウチの両親はどっちでもええよってゆってた。やわらかいほう(ひらがな)が好きやけど。
住民票がまちがっとるんちゃう?あはは!」
と彼女は関西弁で陽気に笑っていた。
どっちでもいいんですね。
自分の名前の表記なのに。ずいぶんおおらかだ。
 
日本語はひらがなとカタカナと漢字が有るから豊かなんだよ。とか
「林家ぺー」はひらがなかカタカナかどっちだ! とか、
そんなことは彼女には関係ないことなんだ。
 
毎日日記を書く作業のなかで日本語には気を使っているつもりだった。
でも、
そういうやわらかさというか柔軟性もいいな。と
すこし楽になれた気がした。