もう数メートルで26周目

今日は25歳の自分が過ごす最後の日である。
明日からは26歳。
たしか「20世紀少年」で、主人公が言っていた。
ジミ・ヘンドリックスをはじめとするロックミュージシャンは皆26歳で死んでいく、と。だが主人公はだらだらと生き長らえた。
自分はどうだろう?
おそらくだらだらと生き長らえていくことになるだろう。ロック・ミュージシャンではないし、生き急いだこともない。平凡な、インテリぶった左翼もどきの団体職員。
 
夜、帰宅すると手紙が一通届いていた。
にいみさんからだ。
「happy birthday」とメッセージ。誕生日を一緒に過ごせないことの謝罪とお詫びに寝そべったパンダのイラストのシール。ほかにも動物のイラストのシール。
嬉しかった。手紙をくれたことが。シールもまあまあ嬉しかった。
 
春になると遠距離恋愛の人口が増えるが、やがて季節とともに減少していく。
まず夏を越せれば、秋や冬も乗り越えて一年遠距離で続くんじゃないだろうかと思う。ポイントは春から夏なんだきっと。
だから不安なこの時期に手紙をもらえたことはよけいに嬉しかった。
シールはもちろん手紙と一緒に大事にとっておきます。