「北京ヴァイオリン」 

おととしくらいのNHK中国語会話でちらっと見て、それ以来気になっていた中国映画。
ヴァイオリンの天才少年と、その成功を願う父親の物語。
中国の田舎の親子。貧しいんだけど、精一杯息子のために力を尽くす父親がすごく優しくて不器用で、みっともなくて。「北の国から」の田中邦枝のよう。いつもかぶってる帽子に全財産を隠していたり、息子のセーターを解いて編みなおしたり、そこにト音記号の模様を編み込んだり。格好悪いんだけど、その格好悪くて純粋なところにぐっときてしまった。
主人公の男の子はあまりしゃべらない控えめな男の子なんだけれど、目はきれいですごくまっすぐな光がある。芯があって、嫌なことは嫌だから絶対やりたくないし、お父さんがヴァイオリンのレッスン代払ってるから先生のうちの掃除なんてやりたくないんだ。いざというとき普段は口に出さないけど、やっぱり父親のことを大切に思ってる。感情が爆発したときはすごく強いし、普段なら考えられないような大胆な行動をする。きれるとこわいんだ。
そういうわけで、父のために演奏した曲は最高だった。熱い感情がほとばしるような演奏。ヴァイオリンていいね。主人公親子だけじゃなく登場人物もみんな弱さを持ちながらがんばってる。

北京に行きたくなるすごくあったかい映画だった