田舎道をドライブ

大館市比内町までドライブ。
往復150キロほどの道のりを
砕米(割れたお米)300k配送の助手として。


通り道はちょうど、
半年ほど前からさんざんTVで騒がれた暗い事件のあった辺り。
紅葉ももう終わり。
明度の低い灰色の雲、冷たい雨が降る中
秋田の郡部を淡々と走る。


秋田県の内陸部は山が多くて、
すこし開けたところにいくつかの家がまとまって集落ができている。
土地が広いわりに人口は少なく、産業だって大してない。
景気だってきっと良くない。
人が少ないからレンタルビデオだって遠くに行かなきゃ借りられないし、CDだってオリコンチャートインしてるのしかないだろう。
秋田市のことを仙台や東京なんかと比べて
田舎だ田舎、何もない!なんて感じるけど、
実際東北の奥のほうに住んでいれば秋田市でさえ
いろいろなモノや情報がある豊かな都市なんだ。


都市と郡部(いなか)の、経済的な事情からくる文化的な違いって
かなり大きいように思う。
例えば、本物を直に見ないと分からないもの、美術とか演劇。
或いはメインカルチャーを消化した後に生まれるサブカルチャー


経済的なゆとりが有るときに、文化は爆発的に発展する。
100年以上前の芸術のほとんどは金銭的豊かさと権力の庇護の下で生まれたものだ。○○王朝とか、商人とか江戸幕府とか。
経済的なゆとりが有ればあるだけ、人的資源と物質的資源を集めて育てることができる。生存に必要の無いことにエネルギーを割くことができる。それは余裕が生み出す遊び(play)?


経済的なゆとりを持たないときに生まれる文化は限られる。
文化を生み出すよりも自分たちが生きていくことが優先されるから。
生活の安泰を求める思いを、歌にしたり描いたりする。
例えば原始時代の壁画や、民謡は世界中に残っている。
それは経済的欠乏が生み出す明日への祈り(pray)?


荷物を下ろした帰りのクルマの助手席でぼんやりそんなことを考えてた。こんなまとまりきらない面倒な話は車内ではできなかった。