はちが亡くなった。

今日の午後、はちが亡くなったそうだ。
はちとは、にいみさんの愛猫である。
にいみ家に暮らして19年だという。
どこにでもいるような雑種の雌猫のようであるが、
にいみさんにとっては「幼稚園のときからの相棒」であり、
いつも一緒に居る家族であり、親友だった。


俺は直接会った事は3回くらいしかなかったが、
新聞を読んでいると寄ってくる人懐っこくてマイペースな猫だという印象を受けた。元気なときは、にいみさんと電話で話していると、いつもすぐ傍からニャアニャアとはちの鳴き声が聴こえて来て、8月の蝉のように延々と鳴いてうるさいくらいだった。
でもその鳴き声ももう聴くことはできないんだ。


そんなはちは、一週間ほど前から体調を崩していた。
食欲がなくなり、猫缶もミルクものどを通らなくなっていた。
病院に行って点滴を受けたが思うようには良くならなかった。
鳴くことも無くなり、寝てばかりになった。
そして今日亡くなった。


夜、にいみさんからの電話を受けて、はちが亡くなったことが分かった。
電話口のにいみさんは泣いていて、しばらくは何も話せなかったから。


はちはにいみさんに大事にされて、可愛がられて幸せだったと思う。
にいみ家だったから、19年も長く生きることができたんだと思う。
俺の知らない、小さな頃からにいみさんを見守ってきたはち、
毎日彼女の傍で喜怒哀楽をともにしてきたはち。
にいみさんの心の支えとしてはちが居たからこそ彼女も、俺も、
バランスを保って今日まで付き合ってこれているのだと思う。
俺ははちに感謝しています。ちょっと尊敬してます。
どうかゆっくり休んでください。