紙風船上げ

afterashita2008-02-10

秋田県仙北市で行われた冬祭り「紙風船上げ」に行ってきた。
紙風船に暖かい空気を入れて空に上げるお祭り。と書く分には可愛らしいけど、実際にはめちゃダイナミックで規模の大きな祭りだった。


秋田県のだいたい真ん中にある角館まで行って、そこから北へ秋田内陸線で40分。上桧木内駅は電車2両分の長さしかない小さなホームの駅。あたりは雪で真っ白。到着したのはちょうど日没の時間だった。真っ白な雪が赤く染まったり、空が青く暗く変わったり。周りの山には白い雪と林の黒い影。穏やかに晴れて星が綺麗に見える。
遠くから空へ向かってオレンジ色の紙風船が上っていくのが見えた。おそらく数百メートル先で100円玉くらいの光がすーっと山のほうへ。綺麗。
祭りの会場へ着くと、そこでは紙風船がいくつも飛び立つ用意をしていた。暖かい空気を吹き込まれてゆっくり膨らんでいくそれは、思っていたよりも二周りくらい大きい。高さは5メートルくらいあるし、横幅も2メートルくらいはきっとある。真っ白な和紙に浮世絵風の絵や祭りのロゴが入った巨大な燈篭。紙風船と呼ぶには大きすぎる。かまくらがふたつくらい入りそうなくらい大きいのだから。
そんな大きいものが、松明をつけられて空へ放たれる。目の前にあった白い大きな塊がオレンジ色に光りながらゆっくり上昇していって、お月様より小さくなりついには空に輝く星のひとつになる。火星よりも一回り大きく赤く輝く。それがいくつもいくつも。
たまにはうまく上昇せずに燃えながら落ちてくるものもあったけど、それでさえ赤い炎が鮮やかで、儚く消えてしまう美しさがあった。


この情景を是非写真として記録したかったけど、真っ暗な夜空に飛んでいく松明の明かりはコンパクトデジカメじゃどうにも難しかった。すごく残念。
寒さは厳しかったけどまた是非観にいきたいと思えるすばらしいお祭りだった。