下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち作者: 内田樹出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/01/31メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 96回この商品を含むブログ (664件) を見る

勉強しない若者が増えている理由を、子どもがお金を使うようになったことにあると分析。その詳しい内容を説明することはちょっと難しい...。
内田先生の考えることは俺にとってとても面白く感じられるのである。
一番興味深かったのは、真の意味での学びが与えるものは、学ぶ前には理解することができない。学んだ後に始めて理解できる、ということ。拙い要約ではあるが。だから学ぶ前にくだらないとか意味がないとか否定するべきではないんじゃないか。この本を読んでの予期せぬ収穫。


無思想の発見 (ちくま新書)

無思想の発見 (ちくま新書)

日本人は、「思想がない」のが思想だと主張する。この本、読みやすいのに難しい。養老先生の頭に浮かんだことをそのまま文字にしたような文体なので、ときどきその思考についていけなくて困った。


養老先生曰く、意識というものは肉体という入れ物に左右されるものであるし、環境によっても変わる。肉体は日々変化しているのだから、変わらない意識=自分などというものはないのだ。自分なんてものはどんどん変えていけばいい、と。
内田先生は、「下流思考」だったか別のところでだったか忘れたが、自分探しについて確かこんなふうに書いていた。
もし知り合いの誰かが本当はどんな人間なのか知りたいとしたら、その家族や友人や同僚達に人となりを尋ねるだろう。そうして本当のその人を知る。しかし、本当の自分を探すときには自分のことを人に聞くわけではない、自分の知り合いが誰もいない場所を目指していくのは何故だろう。それは今までの自分は本当の自分ではないと思っているからなのだ、と。
そこで養老先生の考えと繋がった。誰も知る人のいない場所を選ぶことで、自分をリセットするのだと。新しい環境に身を置くことで新しい自分をつくるのだ。
二人の先生の考えを、「積極的に新しい環境に自分を置け」と理解した。
そんなことを読んでいる俺は、「最近変わったね」なんて一度も言われたことはないのだけれど...。