ゆらゆら東北

朝起きて、ベッドに座ってくつしたを履いていたら腰がゆらゆらと揺れた。
俺の部屋は2階にあるのでなんだ大きいトラックが家の前を走った振動なのかなーと思ったがクルマの走る音は聴こえない。地震か?どうせ震度2ぐらいだろうと一瞬考えてくつしたを履き続けようとしたがすぐにゆらゆらがぐらぐらに変わり始めくつしたを履く体勢を維持することは難しくなった。なんだちょっと強いなと感じる間も横揺れが強さを増していって本棚の上に積み重ねている靴の箱が揺れ始めた。箱が落下してその下にある雑貨やらペン立てやらを直撃しおまけに収納されていた靴も飛び出してばらばらになり床ががごちゃごちゃと散らかったら片付けるのが大変面倒くさくなるなーと危惧しながらくつしたを片手にベッドに座り続けた。地震が治まりかけたころに階下から母の声が聞こえてきた。部屋の中が少し前と変わらないことに安堵しながらくつしたを履いて階下へ向かいTVを見た。思いもしない強い地震だった。秋田市は震度4だったという事を知った。家の中には何も被害はなかった。


一週間前から盛岡にドライブに行く予定だったので、友人の車で出かけた。盛岡までの道のりにはこれまでとなんら変わりは無くスムーズに走れたが途中強い雨が降っていて土砂崩れが心配になった。もちろん無事に行って無事に帰ってこれたが。


車で走行中にもし地震に遭ったら。
60キロ70キロの速度で走っていたら多少大きな地震があってもすぐには気付かないだろう。走っている自動車には振動と騒音が付きまとうし。気付かない中で突然道路が割れたり陥没したりしたら、対応できるだろうか。突然目の前の道が消えていたら。あるいは道端から急に人が飛び出してきたら。きっと自分はどうすることも出来ないだろうな。どんな対処も出来ないことだけに想像して怖ろしくなった。


自然に対して人間は本当にどうすることもできない、のかもしれない。