遠距離恋愛の秘訣(というものがあるとすれば)

学生時代から付き合っている彼女がいて、今はお互いの生活の場所が結構離れている。いわゆる遠距離恋愛の状態になってからもう何年も経っている。
(お互いの距離は約300キロ、「遠距離」でないとは言えない筈)


という話をすると、たいていの人に「すごいねー」などと感心される。悪い気はしないが、それ以上ではない。「なんでそんなに続いてるの?」と聞かれると、たいてい「お互い(俺も彼女も)もてないから」と答えている。真剣に解答するのが面倒だという事もあるけど、少なくとも半分くらいは事実を言い当てていると思う。


遠距離恋愛が続く方法、というか秘訣というか、がもしあるとするなら(全ての恋愛者達に通じる答案があるとするなら)、それは
「変わらないこと」「変えないこと」だろうか。
二人の関係を変えないこと、物理的距離はともかく心理的な距離は近くのままで保つこと。


2人三脚みたいに、進むときは一緒に進み、相手が踏み出した足に自分も合わせ、走るスピードを同じくし、進路が変わるようなら合わせて変える。相手がバランスを崩したら支えてあげる。


なんだか書いてみると当たり前すぎる。別に遠距離じゃなくてもあてはまることじゃないか。自分でもそう思う。だけど、遠距離って、離れている分だけ相手の様子が判りづらい。ちょっと目を離した隙に相手が勝手な方向にずんずん進んでいってしまうことだってあるかもしれない。いや、きっとある。


例えばどちらかが大きな仕事を任された場合、新しいことを学び始めた場合、ひとりでどこかへ旅をした場合。もしかしたら魅力的な異性の存在に気付いてしまった場合。本人も予想をしないような大きな出来事やきっかけとも言えない小さなきっかけで考え方やその後の歩み方が大きく変わってしまうかもしれない。


変わってしまったものは仕方がないし、変わった側、変わらない側、どちらが悪いわけでもない。ただそうなってしまったという結果があるだけだ。


それでも二人三脚は、二人の足を結びつける紐の長さの範囲で揺れていいし、ずれていても大丈夫。そのなかでまたバランスを回復してベストな歩調で歩き出せれば、そのあともずっと、歩み続けていけるはず。


はじめは客観的に書き始めたつもりだったのに、いつのまにか自分に言い含めるような文章になってしまった。