母の英語

連休中の話。

実家に帰って一番驚いたのは、
母が英語の勉強を始めてたことだった。
何年も前から俺に「英語の勉強したら?」と勧めてた母が。
54歳になって自分で英語の勉強を始めたなんて。


ダイニングテーブルで書き取りをしてたところを後ろから覗いてみたら
使っているのは中学一年生用の参考書。
7章、命令文のところをやってた。
「Open the door.」みたいなの。
参考書にはじかに書き込まずにノートに書いて。宿題みたい。
「最初からやり直したい」のだそうだ。
でも、40年前に習った中学一年生の英語と現在教えられているものでは微妙に違うんじゃないか?
そう思ったけど黙っていた。


母は仕事柄海外にいくこともたまに有る。
が、家族で旅行に行ったときなどは俺と妹に頼りっぱなしで、
一言も英語を喋ろうとしない。
アメリカ人にも日本語で「ありがとう」などと言ってる。
その姿にかなりイライラしたものだったが、
中一の英語もおぼつかない様を見て、
あのときは少しきつくあたりすぎたかなと結構後悔した。


妹は英語が話せるからたまーに教えてるのかな。
アルファベットの歌を通勤の車内で聞いたりしてる母。
毎日少しずつだけど休まずに勉強を続けているらしい母。
俺にとっても刺激になって、遠くからだけど応援しようと思った。