選択肢のない問い

人間は「自由」が好き。
でもまるっきりの「自由」は好きじゃない。
どうしたらいいのかわからなくなるから。
だから、ある程度限定された自由を心地よいと感じる。
例えば、「もし1億兆円あったらどうする?」なんて考えるよりも、
「もし100万円好きに使えるとしたら?」のほうが
考えててどきどきしたりする。
スケールが小さいけどそんなもんだ。


で、「問いかけ」についての話。
人間は「選択肢の無い問いかけ」を投げかけられると不快になる。
「選択肢の無い問いかけ」ってのは何かっていうと、
「問いかけ」とはそもそも「yes」と「no」の最低2種類以上の選択肢で答えられるはずなのに、実際は選択肢が与えられていない「問いかけ」のこと。
「おまえ、やる気あるのか?!」
という「はい!」としか答えられない問いのことだ。
体育会系の部活やってた人なら必ず一回は聞いたことがあるはず。
実質的に「はい」以外の答えは要求されていない。
「『仕事』と『あたし』、どっちが大事なの?!」という質問もこれに当たるかもしれない。(もちろん答えは『あたし』)


他にも例はいくらでもある。
(電話して)「いま、お話してよろしかったでしょうか?」
とか、
(上司から)「これやっといてもらっていい?」とか、
「宿題やったの?」(とにかくやらなくてはいけない)とか、
「晩御飯カレーでいい?」(もう作ってある)とか、
「これやばくね?」(どんなシチュエーションかわからんが、どんなシチュエーションでも)とか、
世の中は選択のできない問いかけであふれている。

同じ制限された選択肢なのに
2択は楽しいが、1択は楽しくない。
強制されてる感があるからなのか。
半ば強制されてるのを承知の上で、
知らないふりをして選択をしなければならないからなのか。


とかくこの世は難しい。