あだ名がある

去年の12月、旅先で出会った人があだ名をつけてくれた。
「ガッツ」というあだ名だ。
俺の顔がプロ野球の小笠原選手の顔(日本ハム時代の髭を生やした風貌)に似ているかららしい。
小笠原選手のあだ名が「ガッツ」だということで。


はじめは意味が分からなかったし、「ガッツ」が自分のことだなんて全然ピンとこなかった。
それまで自分とは全く関係を持たない名詞だったものが、自分を表す固有名詞になるなんて。
「ガッツ」と呼び捨てならまだしも「ガッツさん」なんてさん付けで呼ばれると
誰の事?って感じだった。


それから、そのあたりで会った人たちと長く交流するにつれ、
あだ名で呼ばれることが多くなるにつれ、馴染んでくるようになった。
初対面の人に、自分から「ガッツです」と自己紹介できるまでに。
ただ、旅の間限定の仮の名前だと思っていた。


それが、いま、役に立っている。
会社で自分は、新入りだ。
新入りだけどそこそこの年齢で、年下が結構いるという微妙な状態。
苗字+さん付けで呼ばれるのはどうも気を使われてる感じでしっくりこない。
堅苦しいのだ。
苗字や名前がすごく長ければ、あるいは縮めて呼んでくれるかもしれないのだけど、
(例えば、武者小路だとか長曽我部だとか。ムシャさんとかチョーさんになれそうな気がする)
残念ながら自分の姓名は3文字+3文字。
これじゃ無理だ。
幸い会社には同い年の人が一人いて、彼ははじめからあだ名を聞いてくれて、
「ガッツ」と呼んでくれている。
これを広げていって、
できれば年下の人たちからも「ガッツ」あるいは「ガッツさん」と
呼んでもらえたらな。
職場が楽しくなるんだけどな。


とにかく、あだ名があるからちょっとだけ人生が豊かになりました。
ありがとう!ってそれだけの話。